RPA化に適さない業務とは?
- 伊賀上真左彦
- 2020年2月15日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年12月17日
①作業ミスが許されない業務で、人間による確認や修正ができないもの
個人差はありますが、人間は作業をした場合、1%程度の頻度でミスをおかします。100文字入力すると1文字くらいは間違っているということです。
RPA化した場合ミスの発生率は人間より大きく下がる場合が多いですが、ゼロにはなりません。
またRPAが人間より劣っているのは、イレギュラーへの対応が難しい点です。作業中にパソコンの動作が遅くなり、ボタンが反応しなかったとします。人間は特に無意識にそれを認識しボタンをもう一度押したりしますが、RPAはそういった柔軟な対応ができません。ボタンを一個押すのを失敗した場合、無視して先の処理を行ってしまうか、
②エラーが発生した際、金銭的問題に発展するもの
発注等の金銭にかかわる業務でRPAを使う場合も注意が必要です。極端な話、「RPAが誤って10億円分誤発注をした」ということも、十分あり得ます。
こういったものでも、例えば上長承認機能があり、それを利用して人間が確認してから正式に発注する、ということでしたら問題はありません。
③効果が得にくいもの
最近「手書き文字のAI-OCRをつかってみたい」という相談を受けることが増えています。ただそのためには今までなかった、スキャン、スキャンしたファイルの整理、AI-OCR、人間による手修正、といった処理が新たに加わります。現在の手書き文字の認識制度は8割から9割程度、アンケート等誤字脱字が許容される場合そのまま使用することもできますが、そうでない場合実際には人間がゼロから入力した方が速くなることもあります。
そういった処理を考えると、RPA化しない方が効率が良くない?と思うような依頼もたびたびあるのは現実です。こういったものは理由を丁寧に説明し代替案等を提示しましょう。
④開発環境を用意できないもの
開発環境とは、RPA開発時にテスト的に利用できる環境をさします。社内のWEBシステムですと開発環境が用意されている、もしくは用意していただける場合が多いため、お願いしてみましょう。開発環境を用意できない場合は時として実環境を用いて開発を行いますが、RPAがシステムを触ることで想定外のトラブルが発生するかもしれません。
発注作業をRPAで行う場合、RPAが発注、人間がキャンセル、ということを繰り返しながら開発しますが、キャンセルを忘れる、もしくはキャンセルしてはいけないものをキャンセルした、といったトラブルもよく発生します。
⑤変更、イレギュラーが多い業務
処理のルールが頻繁に変わるもの、システムがのイレギュラーな処理が多いものはRPA化しない方が良い場合があります。
例えば月に一回商品の大幅な入れ替えがあり、その度に処理のルールが大きく変わってしまうような業務はRPA化しない方が良い場合があります。
いかがだったでしょうか。RPA以外の大抵のシステム開発も同じだと思いますが、依頼者側の要求をそのまま開発するのが良いというわけではありません。開発時には要件定義という作業が必ず発生しますが、ここで開発者と依頼者で話し合い、何がベストの対応かを決めていきます。
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