ハイパーオートメーション(Hyperautomation)という言葉をご存じでしょうか。
機械学習、パッケージ・ソフトウェア、RPAなどを組み合わせて一連の仕事を実行する概念と実装です。
私のようなRPAエンジニアもPythonのAI系ライブラリが無料で使えるようになることで一部RPAに組み込んで使用することも増えています。
AIとRPAはPythonを介してつながりつつある、というのが事実だと思いますが、この概念はその先の未来を示しているように思います。
RPAという言葉は数年前に銀行がRPAとAIを活用した人員削減を発表したことを契機として大きなムーブメントとなりましたが、最近は決して魔法のツールではない、使い方を間違えるとむしろ業務効率を落としかねないツールであることが知られるようになってきました。
RPAという言葉自体が古くなってきていますし、技術的には熟成期に入っています。AIとの統合も進みつつあり、区分けが曖昧になりつつあります。
AIとRPA、さらには各種センサーやロボットと組み合わせたハイパーオートメーションを目指すべき時期に来ているのかもしれません。
この概念はガートナー社がGartner IT Symposium/Xpo 2019で発表したものですが、ここでは他に9つのトレンドが発表されています。
トレンド2:マルチ・エクスペリエンス(Multiexperience)
マルチ・エクスペリエンスとは、テクノロジーに精通した人々を、人間に精通したテクノロジーに置き換えることを指す。
トレンド3:専門性の民主化(Democratization of Expertise)
民主化とは、従業員が、コストを掛けて特別なトレーニングを受けなくても専門知識を入手できるようになることを指す。
トレンド4:人間の拡張(Human Augmentation)
人間拡張は、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)やAIなどのテクノロジーの力で、人間の能力を強化、向上させることを指す。
トレンド5:透明性とトレーサビリティ(Transparency and Traceability)
AIやMLが人間に代わり意思決定をするようになると、信頼性に対するリスクは大きくなり、説明可能なAIとAIガバナンスが必要になってくる。
トレンド6:エッジ機能の拡張(The Empowered Edge)
エッジ・コンピューティングは、情報処理やコンテンツ収集の際、遠隔地にあるサーバではなく利用者の近くで処理をすることで、上位システムへの負荷や通信遅延を解消することを指す。
トレンド7:分散クラウド(The Distributed Cloud)
分散クラウドは、パブリック・クラウドサービスを、自社データセンターの外のエッジに分散させ、サービス提供者であるパブリック・クラウドベンダーが、そのオペレーション、ガバナンスに責任を負うことを指す。
トレンド8:自律的なモノ(Autonomous Things)
自律的なモノとは、ロボットやドローン、自動走行の車や船、自立型家電など、これまで人間が担ってきたタスクをAIを利用して自動化する物理デバイスを指す。
トレンド9:実用的なブロックチェーン(Practical Blockchain)
現時点でブロックチェーンは、スケーラビリティや相互運用性の低さ等技術的問題があり、企業に導入できるほど成熟していない。しかしながら、創造的破壊と収益創出の大きな可能性については評価されてしかるべきだろう。
トレンド10:AIセキュリティ(AI Security)
AIセキュリティは、AI技術をセキュリティ分野に応用していくことを指す。
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