ポモドーロ・テクニックはイタリア人のフランチェスコ・シリロによって考案された業務効率化のテクニックです。人間の集中力を高め、効率を上げるテクニックで、ディープ・ワークに近いテクニックと言えます。
ポモドーロ・テクニックの基本的な手順
①タスクを選ぶ
行うタスクを1つ選びます。マルチタスクは仕事の効率が落ちますので、シングルタスクを心がけてください。
②タイマーを25分にセット
この25分間を「ポモドーロ」と呼びます。「ポモドーロ」はイタリア語でトマトのことで、トマト型のキッチンタイマーを使っていたことが由来をされます。タイマーは音が出るタイプを選んでください。
③作業に集中
タイマーが鳴るまで、そのタスクに集中して取り組みます。
④短い休憩
5分間の休憩を取ります。
このサイクルを4回繰り返したら、15〜30分間の長い休憩を取ります。4回繰り返したら、次の4回のサイクルを同様に行います。
電話やメールなどで作業が中断した場合、もう一度25分のタイマーをセットしなおして次のサイクルを開始します。
ポモドーロ・テクニックのメリット
①集中力の向上
②生産性の向上
③モチベーションの維持
④疲労の軽減
人間の集中力は長くても90分程度しか続きません。適切なタイミングで休憩を入れることで一定の集中力を常時維持し、仕事の効率を安定性を高められるのがメリットです。
ポモドーロ・テクニックのデメリット
①極度の集中を要するタスクには向かない
人は集中力がいったん途切れると、再び高まるまで23分かかることがわかっています。ポモドーロは集中力が最大に上がる前後で休憩に入ります。これにより、プログラミングや重要な資料の作成、ビジネスの戦略を練る、といった高度の集中を要する仕事には向きません。
②25分で完了しないタスクにも向かない
例えば40分で完了する仕事の場合、この方法は適していません。必ず途中でタイマーが鳴り、集中力が途切れてしまいます。
デメリットが目立つポモドール・テクニックですが、25分で集中を途切れさせる事で集中力が高まりすぎることを防ぎ、長時間安定し仕事を行うためのテクニックとも言えます。短距離走ではなく、マラソンや長距離走に近い働き方です。
ディープ・ワークが集中力を限界まで高めるため、1回行うと長時間の回復時間が発生します。長い人でも1日4時間程度が限界とされるのはその回復時間が原因です。回復時間は会議、メールチェックなど集中力を要さない仕事(シャロー・ワーク)を行う事になります。
ただ、会議やメールチェックが無い仕事をしている人も世の中には多くいます。ポモドーロ・テクニックはそういった人にも適したテクニックと言えます。最大瞬間速度では平均5倍の仕事をこなせるとも言われるディープ・ワークに敵いませんが、行うタスクによってはことらが適している場合もあります。
Comments